Stratos HF Stradale は1974年にランチアがホモロゲーション取得のために生産した公道仕様モデルで、WRC制覇を前提に設計された純粋なラリー専用機のストリート版。FRPボディと短いホイールベース、フェラーリ製V6を組み合わせた唯一無二の構造を持つ。
「Stratos(ストラトス)」は成層圏を意味し、既存のラリーカーを超える存在を目指した名称。「HF」はランチアの高性能部門“High Fidelity”を示している。
ベルトーネのマルチェロ・ガンディーニが手がけたウェッジシェイプのボディは、極端に短いホイールベースと広いトレッドで敏捷性を追求。フェラーリ・ディーノ由来の2.4L V6をミッドに搭載し、公道仕様ながら190hpを発揮する。軽量FRPとスペースフレーム構造により、総重量は約980kgと驚異的な軽さを実現した。
グループ4規定のホモロゲーション取得を目的にStradaleが約492台生産され、競技仕様は1974〜1976年のWRCでタイトルを獲得。アクロポリス、サンレモ、モンテカルロなど主要イベントで圧倒的な強さを見せ、ストラトスは“ラリーを征服した初の専用設計マシン”として歴史に刻まれた。
1974年当時、ストラトスはその異様に短いホイールベースのせいでテストドライバーから「後ろ半分が気絶するほど速く回る」と冗談を言われたという逸話が残っている。さらにフェラーリ製V6の供給が政治的理由で遅れ、開発陣が“エンジンが届くかどうかで世界選手権が変わる”と本気で心配していたという裏話もある。結果的にはその独特の挙動と強烈な回頭性が武器となり、ラリー史における“異次元の設計思想”を象徴するモデルとして語り継がれている。
ラリータイヤにエアロパーツだけでもBクラスのグリップマシンとして十分な活躍ができる
更にワイドボディを合わせるとラリーカーそのもになり、タイヤのトレッド幅はリアで325mmまで広がる
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